兎村彩野|Illustrator / Art Director

「まずはやってみる」は、すべて自分の経験値になる

先日、撮影で自分のコーヒーをいれるマイボトルをなくしました。

探しても出てこないので諦めて、新しいボトルを探し始めました。

 

どのメーカーの製品にも一長一短があり、なかなか決められず。とはいえ、コーヒーと漫画が鞄に入っていないのも落ち着かないので、えい!っと自分のデザインでオーダーしました。

白くてシンプルな色は私っぽいし、自分のロゴが入っていればどんな現場でも「兎村さんのですね!」って周りの人が渡してくれるので、なくし物をしやすい私にはピッタリかなと。

ロゴが湾曲した面に印刷された感じも掴めたので、他にモノを作る時にも使えるちょうどよいサンプルになりました。

 

 

インターネット経由でオンデマンドサービスを使うと、簡単に自分だけのオリジナルアイテムを作れる時代になりました。なんでも作れるようになったのですが、意外と難しいのが「画面で見るデザインサイズ」と、実際の「立体的なアイテムに印刷された状態」で、かなり印象が変わることです。

ここが、毎回やってみないと分からないことが多く、自分が作りたいイメージと微妙にズレが出てきます。このズレを補正してくれるのが「経験値」になります。

 

新しい事・知らない事をするのは緊張します。とても面倒に感じます。この感覚は自分だけではなく、大抵の人はそう感じるのかもしれないと思っています。なので、逆転の発想で、とても面倒だからあえてやってみると、他の人より早く経験値が増えると捉えています。

才能は生まれ持ったモノかも知れませんが、経験値は自分で挑戦すればいくらでも増えるので、才能よりも経験値を私は選びました。

 

「まずはやってみる」

 

溢れるほど情報が多い世の中なので、「読んだだけ」「見ただけ」で知った気分になりがちですが、実際に手を動かしたり、つくってみる方が、はるかに得られるものは大きくなります。それは「情報」から「経験値」に変わるからなのでしょう。

「情報」をたくさん持っている人は、世の中に増えました。その分「経験値」をたくさん持つ人は減ってきたように感じます。それならば、望んで経験値を増やすことも立派な個性の作り方だと、私は思っています。私を作るのは情報ではなく経験値。情報を上手に使って経験値を増やす。この流れであれば、かなり楽しい事ができる時代でもあります。

 

経験値が増えれば、できることが増えます。できることが増えれば、想像力も広がって「やってみたい!」という気持ちに追い風が吹いてきます。

 

 

自分を未来へ進めてくれる風は経験値。

「まずはやってみる」は、きっと人生を楽しく広げてくれる。

 

by
Illustrator / Art Director 兎村彩野。1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始する。17歳でフリーランスになる。子ども向けの絵(NHKおかあさんといっしょの「黒ネコダンス」や「ながぐっちゃん」など)や女性向けの絵、アウトドアの絵を得意する。ドイツの万年質LAMY1本で描く「LAMY Sketch」が人気になる。
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