兎村彩野|Illustrator / Art Director

「ドラえもん」の再読

前に漫画とワタシの人生について描きました。

たぶんワタシが始めて読んだ漫画はてんとう虫コミックのドラえもんの1巻だったと思うんだよなぁと言うぼんやりした記憶を頼りに、1巻を買いに行ったら正解でした。ぼろぼろになるくらい読んでいたので、この表紙だと覚えていました。数十年ぶりに1巻を読んできます。

この頃のドラえもんは、まだサブキャラであるジャイアンやスネ夫、しずちゃんのキャラ設定がふわっとしているのか、今アニメで見るような強い個性はありません。名前のないサブキャラの子どもも出てきます。

そんなふわっとした世界感のドラえもんが、世界のドラえもんという確固たるキャラクターに育っていく最初の部分が感じ取れ、とても興味深く面白いです。ドラえもんが育つという不思議な面白さがぎゅっと一冊に詰まっていました。

 

もともと原作の漫画のドラえもん言葉がキレキレしているので好きです。そういえば、小さい頃は道具の不思議さが面白くて、道具ばかり見ていました。妄想するのも道具のことでした。今の年齢になって読むと道具より言葉に惹かれます。

どんな漫画も、はじめて読んだ年齢と、再読する年齢がズレていくので、気になる・感じるポイントもズレていきます。ドラえもんや手塚治虫は小学生から読み続けているので、数年、数十年に一度再読すると、まったく違う角度で読めるので何歳で読んでも面白く感じます。

 

母の子育てが、今考えればなかなか面白いなと思うのですが

「その時の年齢でしか感じないモノがあるから、どんどん読んだり見たりした方が良いよ。大人になってからも読めるけど、それは大人になったときから始まるから、年齢差の読みくらべが出来なくなってしまうんだよね。若いときに読んで、年とってからも読むってすごく贅沢で面白いんだよ。」

といって、家では漫画や本、映画(おもにアニメ)を好きなだけ楽しんで良しとしてくれていました。その意味が最近分かってきました。

たくさんの漫画や本に触れさせてもらえたことで、初めましての漫画も再読も、新鮮で楽しく発見がたくさん見つかります。漫画に素直でいられるのは親のおかげだなと思います。

 

自分にとっての今という年代は、今しかないので、読めるときは好きなモノを読もうと思っています。

by
Illustrator / Art Director 兎村彩野。1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始する。17歳でフリーランスになる。子ども向けの絵(NHKおかあさんといっしょの「黒ネコダンス」や「ながぐっちゃん」など)や女性向けの絵、アウトドアの絵を得意する。ドイツの万年質LAMY1本で描く「LAMY Sketch」が人気になる。
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