兎村彩野|Illustrator / Art Director

主語ってなんだろう?「象は鼻が長い」

米粒写経さんという超文化的芸人さんがいて大好きです。たぶんワタシの理想の男性像って居島一平さんです。もし隣にいたらひたすらずっと話を聞いていたいです。博学と記憶力が誰もマネできないレベルにまで磨かれていて、その磨かれ方が究極の芸に見えます。死ぬまで聞いていたい人ってなかなかいないんですがそんな感じの芸人さんです。

先日より米粒写経のポッドキャストが始まったので聞いています。もうすごい情報量です。聞き終わるとお腹が空きます。

さてその中でいくつか本が登場するのですが、サンキュータツオさんが紹介していたのが「象は鼻が長い」という本。これがすごく面白く。少し古い言葉なので、さくさくは読めないのですが、もっと早くに出会いたかった!と思う本でした。

 

小さい頃から、国語と英語で習う「主語」がどうもしっくり自分の中で腑に落ちずでした。本当になんの知識もないワタシの感覚的なモノなのですが、日本語は言葉の目が身体の中に入っている感じがして、英語は言葉の目が外側にある感じがしていました。

 

なので言葉の目が外側にある英語には主語があるのは理解できるのですが、言葉の目が身体の中に入っている日本語は表現の主語が「ない」ようにずっと感じていました。自分に目があるので距離がゼロになっているように見えます。

ゼロメートルの位置なので、主語が省略されているのではなく、もともとゼロとして存在していないという感覚でした。感覚的なものなので上手く説明できないのですが、ナニも存在しないというゼロの位置の言葉という距離が見えていました。なので私の中で「主語ってないと思う」という感覚を生んでいました。

これを国語や英語(訳すとき)の時間に「主語が省略されている」と学ぶのが違和感でしかなく「なんで?」と思っていました。何メートル距離があって省略されたの?と不思議でした。

 

この本はワタシの違和感で長年「変なの〜」と思っていた部分を面白く答えてくれるような本でした。違和感はあるんだけど、それがなんなのか自分でもよく分からないでいたんですが、「主語がそもそも存在しない」という考え方を基準にすると「あ!分かる!」となれました。例文で細かく細かく説明されるので、かなり腑に落ちます。

 

特に冒頭の「は」の使い方。象「は」鼻が長い。の説明の「は」です。ここから始まるのですが、この「は」を理解できると、日本語ってこんなに面白いんだと気付きました。私の中でやはり日本語はゼロメートルの目で紡いでいる言葉と感じます。まるで授業を受けているような本でした。この本の考え方で国語と英語を勉強したかったなぁ。

 


zouhahanaga_thum象は鼻が長い
三上 章
くろしお出版
発売日:1960/10/30

by
Illustrator / Art Director 兎村彩野。1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始する。17歳でフリーランスになる。子ども向けの絵(NHKおかあさんといっしょの「黒ネコダンス」や「ながぐっちゃん」など)や女性向けの絵、アウトドアの絵を得意する。ドイツの万年質LAMY1本で描く「LAMY Sketch」が人気になる。
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