兎村彩野|Illustrator / Art Director

暮らしから色を少し断捨離する、ふかふか暮らしのススメ

我が家の洗濯リーダーは夫です。「夫に洗ってもらったパンツしか履かない」のコラムでも書きましたが、現在も洗濯は夫にお願いしています。夫の洗濯へのこだわりや愛情はなかなかなもので【 洗い方・順番・色物白物・干し方・畳み方 】に本人にとって心地よいルールがあるらしく、ワタシはそれに対して一切口出ししません。手が空いているときは「お手伝いさせて頂く」というスタンスです。なのでワタシが一人暮らしでしていた時の洗濯のルールはもう忘れてしまいました。

 

洗濯係なので、必然的に洗面所も夫にとって使い勝手がよい好きな空間にしてもらっています。ワタシの方が背が低いので手が届く届かない程度のリクエストはしますが、こちらも全く口出ししません。夫が快適であればOKです。なのでタオルやベッドのリネンも夫の領域になります。

 

夫はふかふかのタオルが好きです。その話が面白くて夫のタオルルールを我が家のルールとして採用しました。

まず色はすべて白。理由はホテルみたいで気持ちいいのと、ぱっとみた印象に清潔感があるから。素材は100%オーガニックコットンであること。どのメーカーでも良いけど定番商品として買いやすいこと。揃っていて見た目がキレイになるもの。色が付いているタオルも長く使えるのですが、洗濯の回数がズレていくと色のトーンが変わって行くので少し気になってしまい、洗濯で色の変化が少ない白に落ち着きました。

15枚をまとめ買いし、一年半に一度総買い換えをしています。古くなったタオルは暇な日に二人で雑巾にしています。色々なメーカーを見て回りましたが買い替えがしやすいので最近は無印良品に落ち着いています。もっと良いタオルもありそうなので、日々タオル探しは継続中です。

 

タオルは思えば毎日よく使うモノで、直に肌に触れ、洗濯物として毎日ベランダに干され風景の一部であり、意識してみると意外に存在感のある生活用品だなぁと思いました。そのタオルをふかふかで身体に優しく快適にするというのは、一日の幸福度がかなりあがります。

寝起きで顔を洗ってふかふかのタオルで顔を拭く。銭湯でさっぱりした後にふかふかのタオルで身体を拭く。外から帰ってきて手を洗って洗面台の下に吊してあるふかふかのタオルで拭く。濡れた髪の毛をふかふかのタオルでわしわしする。ベランダでそよそよゆれる白。目にも肌にも気持ちいい清潔な白いふかふかタオルは、理由なくただただ心地よいです。あぁなるほど。心地よいは究極になると理由がなくなるのか。これは観察からの発見でした。

ついつい日々洗面所で「あ、きもちいい。ふかふか〜。」と言葉が口からもれてしまいます。そんな自分が面白いです。

 

夫がつくってくれた「ふかふか暮らし」で一日の小さな印象が本当に変わりました。日々、洗面所に用事があって行くと全体に白く統一されていて、色が少ない分ガチャガチャしたストレスがかからなく、快適です。夫がワタシに提案してくれた「暮らしから色を少し断捨離する」という意味が洗面所にはとくに感じるようになりました。暮らしから色を断捨離すると、素材の肌触りや質感が際立ってきます。さらに色味も少ないことで目のちらつきも減り、結果、心地よい空間に調って行くという暮らし方です。

 

たかがタオル、されどタオル。意識だけでこんなに暮らしがかわるのかと感じた2年間です。「タオルを変える・タオルを意識してみる」だけでかなり幸せになれる気がします。すごいサプライズ!のような大がかりな幸せではないので、始めやすいところが気に入っています。肌触りのふかふかは人に優しい気持ちを思い出させてくれるスイッチなのかもしれません。スイッチを増やせば、優しい時間が増えます。

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Illustrator / Art Director 兎村彩野。1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始する。17歳でフリーランスになる。子ども向けの絵(NHKおかあさんといっしょの「黒ネコダンス」や「ながぐっちゃん」など)や女性向けの絵、アウトドアの絵を得意する。ドイツの万年質LAMY1本で描く「LAMY Sketch」が人気になる。
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