兎村彩野|Illustrator / Art Director

直感はセンスと知識の卓球ラリー

私の中では「直感」という能力は動物的な本能ではなく、知識の統計学に近いのではないかなぁと思っています。

前に「センスって知識が必要だねと言う話」という記事を書きました。「センス」と「知識」の関係のイメージをプールのイメージで解説しています。このセンスと知識の関係が直感のイメージにも繋がりますが、直感はプールではなく、卓球に似てるなと思っています。

 

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私は直感が卓球に見えます。知識は卓球の「ボール」です。センスは卓球の「ラケットさばき」です。知識とセンスのラリーの結果が直感です。

直感のピーン!と働くとき、脳内では超高速卓球ラリーが行われ、そのゲーム結果が「判断」なのかなと。

直感が卓球だとすると、過去に練習したことがないサーブは打てないし取れない。過去の練習というのは「経験」のことで、経験という知識が脳に蓄積されていて、なにかの条件が揃うと、脳が高速ラリーを始めるような気がしています。条件の違いが個性かなと思います。

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そう思うと、知識も直感もセンスも、反復練習の結果に近いのでスポーツみたいに練習すると鍛えられるのかもしれないです。そう信じて自分のなかで育て方をいつも考えています。

 

「知識」は本を読むか、自分より詳しく知っている人に会いにいって話を聞いて育てています。「センス」はなるべく本物に触れる機会を増やすことと自分で考えて答えを見つける・導き出す訓練で育てています。決断することがセンスを伸ばしてくれていると感じます。そして「直感」は違和感を感じたら止まる、心地よいと感じたら2倍速で進む。

直感で大事なのは、反省会で、直感を信じて進んだり立ち止まった後にたくさん成長できます。どんなスポーツも試合後の反省会が一番大事だと思っています。もし直感が間違っていたら自分の中の知識とセンスのラリーのフォームのズレを矯正していくようにしています。「このコースでラリーしたら失敗した」「このラリーだったら上手くいく」みたいな感じです。直感は運動神経に似ています。運動神経なので鍛えれば鍛えるほど出来るようになるもの。成長のスピードの個人差はあるけれど、やればやった分、なにか結果は出るもの。

 

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直感をスポーツと捉えると自分なりにスポーツらしくルールを作って、反復訓練すると面白く感じます。

本屋さんへ行き直感で「いいな!」「この本好きそう!」と思う本を無作為に買うことで私は訓練しています。その本が直感通りに面白ければ、どうして直感が正解だったか分析します。

表紙の色?紙の質感?作家の名前?出版社?タイトルのフォント?帯の文字?分析は客観的に細かく細かく観察します。

この時、一旦「主観的に好き」という感情を外します。できる限り客観的に分析します。もし分からないときは夫や友人に「これどうしてこう見えると思う?」など質問して、自分ではない視点の意見も参考にしたりします。

 

この分析は「経験の知識」にどんどんデータベース化されていきます。ちなにみこのデータベースは五感全ての記憶も含むので「いい匂いだった」「美味しかった」「キレイだった」なども含んでいます。

 

分析がスポーツで言うところの基礎練習に近いです。基礎練習をたくさんしている選手は強い選手が多い気がします。幼いころは持って生まれた才能で多少差はでますが、30代以降では才能より基礎練習をたくさんしてきた人の方が秀でてくる気がします。

天才でなくとも、基礎練習さえ続けていれば、そのうちいつかどうにかなるもんだと思っているので「基礎練習していい自由」は多いに利用しています。いつでもどこでも。そしてどうせ練習するなら、好きな事(私の場合、漫画や本全般)ですると楽しくできます。

 

直感が働くとき、カンカンカンカンとラケットがボールを超高速で打ち合う心地よい音が身体の中で響きます。ほんのわずか一瞬の、思うより短い時間ですが、あの音が好きです。好きな音だから直感を信じます。

by
Illustrator / Art Director 兎村彩野。1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始する。17歳でフリーランスになる。子ども向けの絵(NHKおかあさんといっしょの「黒ネコダンス」や「ながぐっちゃん」など)や女性向けの絵、アウトドアの絵を得意する。ドイツの万年質LAMY1本で描く「LAMY Sketch」が人気になる。
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