兎村彩野|Illustrator / Art Director

美しい無駄をつくり人生という環境の最適化をする

我が家の仕事用の机は夫婦で横並びです。

 

一日中、隣にいる夫のiMacをちらちらのぞいてるとグラフィックデザインの仕事のプロセスが理解出来るので、この2~3年、見てるだけで私もデザインが少し上手くなりました。

隣でよく分からない動作をしている時は「今のなにしたの??」とすぐ聞けるので、毎日学校にいて勉強をしているような感覚。

夫も私のiMacのぞいて「この絵のここに文字入りそうだねぇ」とか話しかけてくれるので「なるほど!」と思います。

(絵の場合、たまにただ気持ち良いからでナニも考えずに余白をあけてたりするので)

 

異業種の人と見える・話しかけられる距離の場所で作業していると、そういう数値化されない美しい無駄という良さがあります。

なんでも無駄を省いたり、最近の流行だと個人時間至上主義で他人とは会わなくてもいいと思われがちですが、目で見て盗める部分はやっぱり価値があるし、技術を共有出来たらプロセスからストーリーを組み立てられるなぁと思っています。

プロセスを商売にしたいなら芸術家になればいいのですが、ストーリーでお金もらって他人の困ったを解決するのが商業系クリエイターだと思うので、今みたいなプロセスをオンタイムで見ることができる環境はかなり理想に近いです。

 

自分が一番効率よく成長できる環境を半径10mくらいに作る事が、最高の効率化だと思っています。

その効率化が職種や適正で、かなり違ってくるので、自分の人生をしっかり自分で受け入れて見極めるチカラが大事になってきます。

 

パジャマで働けて、通勤がなくて、PS4がいつでも触れて漫画も読めて、すっぴんでOKな毎日は、私にとっての心地よいなので、それは最高の効率化で、さらに夫の隣という特等席をちゃんと作った。好きだから隣にいるというのもありますが、隣にいると早く成長でき、たくさん勉強できるから、だから「あなたの隣にいたい」という気持ちが同じくらいあります。

 

数値化できないけど、今の私の座席は私の人生の学校になっていて、学び続けることが出来る環境を望んで作りました。与えられたのではなく、持って生まれたものでもなく、毎日1mmずつ微調整しながらずっと作り続けている物が「望んで作った環境」作りです。

良い畑で良い野菜が採れるのに似ているなぁとたまに思います。毎日少しずつ土を調えて行くことがおいしい野菜を作る。人生という土を作るのは手間がかかるけど、やらないよりはやったほうがきっと楽しい。人生という土から作る野菜はおいしかったら嬉しい。環境がすべて。

 

脳科学や遺伝の読みやすそうな感じの本をたまに趣味で読むのですが、持って生まれた物は半分くらいで、のこり半分は環境でどうにかなるのが人間なのだそうです。

なりたい自分、望む自分、楽しい自分、気持ちいい自分。その自分を客観的に感じられたら、どんな環境を半径につくればいいか分かってきます。

 

成長する気持ちよさ、知らない事を知る喜び。幸せな特等席は人それぞれですが、自分にしか探せないのが自分だけの特等席なのかもしれません。

私は私の特等席を私の為に用意する。

 

幸せでいることの、私なりの方法。幸せの半分は環境から。

by
Illustrator / Art Director 兎村彩野。1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始する。17歳でフリーランスになる。子ども向けの絵(NHKおかあさんといっしょの「黒ネコダンス」や「ながぐっちゃん」など)や女性向けの絵、アウトドアの絵を得意する。ドイツの万年質LAMY1本で描く「LAMY Sketch」が人気になる。
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