兎村彩野|Illustrator / Art Director

性別ではなく得意なことで役割分担を決める夫婦の暮らし方。

なるべく24時間しかない時間を有効に使って生きたいので、ふたりで日々、効率アップを研究しています。

 

我が家は、夫婦で一緒に仕事をしており、暮らしながら働いています。

私はイラストレーター兼WEBデザイナーで、夫はグラフィックデザイナーです。ちなみに、どちらもアートディレクターの仕事もできます。

 

私の方が外仕事が得意で、夫は内仕事が得意です。

私が外に打ち合わせや、人と会ったりする仕事をしている間に、夫が家で家事をしつつ一緒に制作するデザインの資料を集めておいてくれます。この資料集めは毎日たくさん夫とコミュニケーションを取っているので、イメージするデザインにほとんどブレがでません。なので集めてくれる資料には絶大な信頼をしています。

私が外仕事から帰ってくると仕事の資料が集まっているので、その中で二人で情報のすりあわせをして、資料やアイディアをまとめることができます。ちなみに共有イメージはクラウドにあるのでスマホのアプリでものぞけるようになっているので、外にいるワタシでも電車での移動時間に資料確認ができるようになっています。私は外で打ち合わせしてきた内容を夫に伝えます。

私が経理している間に、夫はデザイン仕事のイメージボードをつくり、プレゼンの用意をします。

 

この流れがスムーズで、くるくる仕事を回せるので、寝る前に清潔なふかふかベッドの中でPS4でゲームをする位のゆとりは作れます。私のFF15のプレイ時間が200時間近いのでセーブデータをみると、それくらいは余裕があるというのがよくわかります。

 

外仕事でへろへろに疲れても、キレイな家で快適にゲームができるので、私のストレスはゼロに日々リセットできますし、夫も好きな家にいられるのでストレスは少なめです。私がほぼ家事に時間がとられないので、睡眠時間をしっかり確保できるため、健康に暮らせます。

健康だから仕事が頑張れる。なので、ますます新しい仕事の打ち合わせに出れたりします。私がWEBやイラストと一緒に、夫が出来るグラフィックデザインの仕事も取ってくるので、夫は無理に営業する時間を作らなくてよく、しっかり家事ができます。

 

二人で助け合って稼ぐので、どっちがいくらの収入とかも気にせずに、「全部二人で稼いでるんだ」という感覚を持てます。なのでお金で嫌な気持ちを感じるコトもないです。ただ、人間なので、たまには不安になったりもします。そんな気持ちを持ってしまう時は、ちゃんと相手に言葉で気持ちを伝えます。言える関係と環境を作っているので、遠慮は必要ありません。「二人でがんばろうね!」という会話でだいたい終わります。

 

家事も仕事も区別なく、すべて生きていくためにしなければいけないことは「労働」とお互いに認識できているので、どの労働にも優越がなく、得意な方が得意なコトをやればいいし、やりたいことがあれば「これやりたい!」と相手に伝えればOKです。

お金稼ぐこともただのタスクにしか思わないですし、仕事も家事も生きていくためにしなければいけないタスク。このタスクを夫婦で半分こするだけ。これが我が家の生きるという感覚です。

 

自分の苦手な部分を相手にやってもらってるんだっていうのが、一緒に生活していて目に見えてわかるので、感謝が生まれます。自然にありがとうといってしまいます。ひとりだったら、2倍のやることがあるんだなぁと思うと、ちょっとゾッとします。ゾッとするので、相手の存在がどれだけ大事か分かります。

 

私たち夫婦にはたぶん、なんとなく社会の中にある「性別の概念」みたいなものが、ないんだと思います。出会った人生の同僚がたまたま男子と女子だったで夫婦という便利な制度を利用しているだけなんだという感覚が強くあります。性別に紐付く役割をそんなに気にしなくてもいい暮らし方を選んでいるなと思います。

男だからとか女だからっていう思い込みをやめて、何が得意で何が苦手なのかで分担すると、楽に生きていけるんだろうなと感じています。

他人とチームになるとは、仕事も夫婦も同じなんだろうなと思っています。得意なコトをがんばる、苦手なことを助けてもらう。お互いにやってもらったらお礼を言う。これだけのシンプルな関係でいいかなと。

 

この気持ちいいほど快適なサイクルが好きです。好きだけど「こういう生き方があるよ」と教えてくれた人は、ほとんどいなかった気がします。逆にこれでもいいんだと自分を許せるまで少し時間がかかりました。

 

ちょうど今日、新しい仕事の資料作っていて、夫の資料の精度がさらにアップしていてたので、またまた夫に惚れました。良い資料だなぁと感謝したし、夫は唯一無二の私にとって尊い人だなと思います。良い資料の前だと、私も負けじと良いアイディアをもっと出したいなと元気が出ます。自分のチカラだけでは踏み出せない一歩を踏み出させてもらっています。

10年後、今日よりもっといいデザインが出来るチーム「夫婦」になってると思います。

 

もし今、夫婦の暮らしが、昔ながらの性別での役割分担の概念で、なんとなく「生きにくいなぁ・暮らしにくいなぁ」と感じていて、悩んだり苦しんでいる人がいたら、性別じゃなく得意で分担する生き方もあるんですよと伝えられたらいいなぁ。

by
Illustrator / Art Director 兎村彩野。1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始する。17歳でフリーランスになる。子ども向けの絵(NHKおかあさんといっしょの「黒ネコダンス」や「ながぐっちゃん」など)や女性向けの絵、アウトドアの絵を得意する。ドイツの万年質LAMY1本で描く「LAMY Sketch」が人気になる。
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