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人生の遠距離恋愛、「好きを忘れないこと」をしてきた。

 

21歳の時、友だちを頼ってNYへ行った。

 

着いてみてビックリしたのは、想像とは違うちょっとほっこりのんびりした空気だった。

初めて本国アメリカのStarbucksへ行った。憧れのお店もやっぱりのんびりしていて、英語の分からない私に周りの人は指さしで色々教えてくれた。もちろん特大サイズが出て来た(笑)

 

街を歩いても、地下鉄に乗っても、なにか不思議な居心地の良さと、感覚的な「この街、好きだなぁ」と言う空気。自分に合う感じがした。

もちろん暮らしていないし、税金も払っていない。ただの観光の人なのですが、そういうのを考慮しても「なんか好きだなぁ」と思った。

 

セントラルパークを散歩して公園の気持ちよさを楽しんだ。

なんとなく入った大きな書店。

 

「ふわっと住むとか留学するではなく。いつかこの街には作家として、呼ばれて来たいなぁ。」

21歳の時、ふっと思った不思議な気持ちでした。

(※作家は文章を書くだけではなく、絵や作品であればなんでもOKの作家です)

 

あの日から、心の中にいつもなんとなく「NYに作家として行きたいな」がありました。

その気持ちはたぶん「好き」に似ていて、私はNYが好きになったし、自分の絵も好きだし。

そういう小さな好きの集まりみたいなものです。

 

私にとって大事にしていること。

「がんばる」とか「成功する」とか「他人に認めてもらう」よりも、自分が「好き」と思っている事や物を、忘れずにどれだけ想い続け、大切にできるかです。

私だけが私の好きを知っていて、私だけがまずちゃんと信じる。

私の好きだけは自由で、私の好きは私の中では大好きで良い。

 

「好きを忘れない」

「好きになった瞬間を覚え続ける」

 

これを、とてもとても大切にしています。

 

人生には良いことも悪い事もあり、タイミングや自分の力では抗えないことの方が多く、生きる事はドラマや映画のように上手く行くものではないでしょう。

スーパーヒーローは毎日助けに来てくれないし、ポケットから秘密の道具は出てこない。

生きるとは、日々、1mmくらいかもしれないけど、前へ進めて行く地味で地道な作業です。

 

その地味さを良いもの・楽しいものに変えてくれるのが「好き」という気持ちかなと。

 

「好き」を「嫌い」になるのはとても悲しいこと。

頑張りすぎたり、人と比べすぎて、好きが嫌いになることは、とてもとても悲しいこと。

夢を叶えるとか目標を我武者羅にこなすとか、成功へのテクニックとか、そんなことはあまり気にせず。

 

「好きを忘れないこと」

私はこれだけを、ゆるい気持ちで大事にして生きています。

 

絵を描くことがなんとなく好き。NYがなんとなく好き。いつかこの街が呼んでくれるまで好きでいよう。

時々休みながら、時々描いて、時々、ふっとあの感覚を思い出して噛みしめて。

 

 

そんな日々を積み重ねていたら、本当にNYの出版社から本を出すことになりました。

2017年に発売した「万年筆ですぐ描ける!シンプルスケッチ」の英語翻訳版で、2019年9月全米で発売になります。

 

How to Draw and Write in Fountain Pen – A Modern Guide
https://www.workman.com/products/how-to-draw-and-write-in-fountain-pen

 

 

 

「いつかこの街が呼んでくれるまで好きでいよう。」呼んでくれました。私を。

ちゃんと私の名前の下にNEW YORKって書いてあった。

 

翻訳作業は素晴らしい経験になりました。

日本とNYのスタッフのみなさまが作家を大事にする気持ちがたくさん伝わってきて、幸せな時間でした。

ひとつずつチェックさせてもらえたり、私の意見を聞いてくれたり。

逆に「アメリカではこういうのが良いですね」と教えてもらえたり。

 

国境や言語の壁よりも「人」として「作家」として大事にしてもらえた経験は一生の宝物です。

愛や気持ちは伝わる。

 

 

 

今回の出版が決まって手の中に本が届くまで。

遠い日の私と遠距離恋愛を続けるような時間でした。

 

21歳の恋した相手は未来にいる39歳の私。あの日、私は「好き」を知って、確約のない恋をした。

きっと未来に好きな人はいて会える。だって私は好きだから。

不安がないわけではないし、どう頑張るのかは分からないけど、1mmずつ前に進み好きでいられるように生きる。

この地味で目立たない1mmをひたすら繰り返していたように思います。

 

「好き」のバトンをもらった日から、18年間もずっと。

遠距離恋愛をしているような好きだった。

 

会えなくても見えなくても、片想いかも知れなくても。

絶対はないけど、希望はある。

未来にいる自分は、私をちゃんと好きでいてくれるはず。

 

人生に空港があるならば。

なんかこう、18年遠距離恋愛をしていた相手が到着口で待っていて「やっと会えたね。」と言ってもらえたような。

片道18年。長いような短いような旅路。どっちも私なんですけど。

 

 

 

人生の遠距離恋愛、「好きを忘れないこと」をずっとしてきた。

10月にNYへ行ってきます。本屋さんで私の本を私が買うんです。

 

 

※現在NYの出版社に書籍を紹介したいので掲載可能範囲の確認中です。

 公開OKの範囲が分かったら本の詳しいBLOG書きます。

 

by
Illustrator / Art Director 1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にイラストレーターとして活動を開始。暮らしのシンプルな絵が得意。愛用の画材はドイツの万年筆「LAMY safari」。