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カラーで着色したい!溶けにくい黒線画が描ける『プラチナカーボンインク』

 

SNSでイラストレーターの方が「カラーで着色しても溶けない感じないかなぁ」と話していたので、そういえばこの組み合わせならいけそうだなぁと閃いたのでテストしてみました。

 

 

万年筆のインクの定番は「染料インク」です。私の愛用するLAMYも染料インク。手軽でインクの色も多いので集めると楽しいです。水洗いの洗浄とも相性が良く、時間をかければ乾燥してカサカサになってもキレイに洗えて、万年筆のダメージも少ないので、はじめてシンプルスケッチを楽しむ方には私も「染料インク」をオススメしています。

 

このインクと対照的なのが「顔料インク」です。濃くハッキリした深い色になり、乾くと水に溶けにくいという性質があります。インクの劣化が少ないので、大切に残したい手帳や日記に使うと何年経ってもしっかり真っ黒を保ちます。色数が少なく黒・ダークブルーがおもな色です。

 

インクの溶けやすさの実験をしてみました。

コピー用紙に文字を描き、筆で水を塗って15分乾かした状態です。顔料インクのカーボンインクはほぼ溶けがありませんが、染料インクはゆっくりじんわり溶けています。

この水に溶けにくい性質は、万年筆のメンテナンスをしなかったり長期間使わないで放置すると、万年筆の中でインクが固まります。耐水性なので水洗いの洗浄では固まったインクが取れなくなります。こうなると大変で、修理に出したり万年筆とお別れになってしまいます。

 

とはいえ。この耐水性・耐光性を上手く使うと、イラストを描くときとても便利な個性になります。

 

「メンテナンスをちゃんとする」「こまめに使う」この2点を意識すれば、そこまで難しくないインクなので、顔料インクで黒線画を描くのはオススメだったりします。実際にアナログで描く漫画家さんも顔料インクを使う方が多いそうで。

最近はお手頃価格の万年筆も多いので「顔料インク用にする」と割り切って使うのが良いかも知れません。

 

インクの詳しい説明は私が愛用している顔料インクのメーカー・プラチナ万年筆の解説がわかりやすいので、もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。特に耐水性・耐光性の実験結果が掲載されいて、インク選びの参考にピッタリです。

https://www.platinum-pen.co.jp/about_ink2.html

 

真っ黒で艶なしのプラチナカーボンインク

私の愛用はプラチナという会社の「プラチナカーボンインク」です。黒のしまりが素晴らしく、テカリが出ないので落ち着いた線画が描けます。深い黒という印象です。漫画家さんの愛用者も多いので、イラストとも相性がよいのも分かります。色々試した中で私はこのプラチナカーボンインクが気に入っています。

 

 

本当はメーカーとインクを揃えた方がいいのですが、今日は空いているプラチナの万年筆がなかったのでLAMY safariとコンバーターでインクを入れました。この使い方はメーカー保証の範囲外なので、自己責任になります。ご了承下さい。

 

 

コンバーターを使う理由は、洗いやすいからです。本体から外してバラバラにあらえるので一体型万年筆よりメンテナンスがラクです。顔料インクを使う時はコンバーターを愛用しています。

プラチナカーボンインク用にメーカー推奨の万年筆が知りたい方はプラチナにお問い合わせすると、染料インクに適したプラチナ万年筆を教えてもらえると思います。この辺のお話も長くなるので、また今度。

 

 

LAMY safariのコンバーターは赤いハンドルが付いています。LAMYに限らず、万年筆ごとに使えるコンバーターの型番が決まっています。使いたい時は型番の確認が必須。分からない場合は万年筆専門店で質問しながら購入がオススメです。コンバーターの型番のメモを下さるお店も多いので大事に取っておきます。

 

 

いつも通り、マスターボトルのインクにダメージを与えたくないのでTAMIYAしました。TAMIYAからコンバーターで吸い上げます。クリアだとインクが見やすいので、あえてクリアを使いました。本当に乾くの怖いので(笑)常に使ってチラ見。インクの量も少し少なめにしています。

 

プラチナカーボンインクで線画を描いてみる

ささっと線画イラストを描いてみました。色々な画材でカラー着色するので、同じ絵を4枚描いています。

 

 

さすがプラチナのカーボンインク。乾いたらマットな質感でキレイ。マットだと万年筆らしいムラは感じにくいですが、そのかわりパキッとした線になるのでとても落ち着いた印象の仕上がり。絵が上手く見えます。

 

 

斜めから写真を撮ってみました。テカリがほぼありません。

 

線画に着彩していく

今日は「コピック」「TOMBOW AB-T」「染料インク筆塗り」の3種類でテスト。

線画を描いたら30分乾燥待ち。そのあと着色しています。

 

コピックで塗ってみよう

 

ほぼ溶けなしです。キレイにコピックの色も出ました。

 

TOMBOW AB-T

 

最近すごく人気のTOMBOW AB-T。ほどよい色ムラと落ち着いた色設計で私も大好きです。

細書きとブラシの上下ペンなので、イラストにも手帳にもオススメです。

溶けなしです。これもキレイに色が出ました。

 

染料インク筆塗り

万年筆用のインクを水彩絵の具のように使って筆塗りする方法です。

インクのムラが絵の具よりキレイに出て、乾くのも早く、最近気に入ってる描き方です。

LAMYパーフェクトブックの大きな絵もこの方法で描いています。

インクはTAMIYAしたものをスポイトで絵皿にとって、絵皿から着色します。

ボトルに筆を入れるとゴミが入るのでしません。使ったインクはLAMYのクリスタルインク。

枝の先の木の実は小さくて筆が入らないのでガラスペンで入れました。

 

ちょっと手間はあるけど、絵を描くには素晴らしいインク

 

プラチナカーボンインクは素晴らしいインクです。

本当は書類を長く残すために生まれたものだと思うのですが、長く残すための性質がイラスト制作にもピッタリはまります。

全部のインクを染料インクで描けば、溶けて滲みのあるアナログらしい味わいのある絵になります。

逆に言えば顔料インクは仕上げのコントロールがしやすいインクと言えるかも知れません。しっかりとインクが溶けない線画を描き、丁寧に好きな画材で着彩できる。

ひさしぶりに使ったら楽しかったので、しばらくカーボンインクで絵を描きたくなりました。

 

 

本日登場した道具達

本日の記事に登場した道具です。Amazonだと価格が変動するのでリンク先でお確かめ下さい。

 

▷ プラチナカーボンインク 60cc
https://amzn.to/2ID9XRJ
¥1,620

LAMY インクコンバーター
http://www.lamy.jp/ink-refills.html#fountain
¥800

▷ LAMY safari EF クリア
http://www.lamy.jp/safari.html
¥4,000

▷ コピック
https://copic.jp/product/ciao/
¥4,000

▷ TOMBOW AB-T
https://www.amazon.co.jp/T/dp/B00135HSI8/
ばら売り:¥300
全色:正確な価格不明(日本に全色セットないのかも?)
※Amazonに並行輸入の全色パックがありました。

▷ LAMY クリスタルインク 30ml
http://www.lamy.jp/ink-refills.html
¥2,000

 

お願い

もし記事に間違いがあったらお知らせ下さい。訂正します。

 


 

『万年筆ですぐ描ける!シンプルスケッチ』という本を書きました。万年筆初心者向けの本なので基礎のメンテナンス方法(洗浄)も掲載。万年筆で絵を描くお手本を220点紹介しています。

詳しくはこちらのページへ。
https://usamura.com/product/simplesketch/

by
Illustrator / Art Director 1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にイラストレーターとして活動を開始。シンプルな暮らしの絵が得意。愛用の画材はドイツの万年筆「LAMY safari」。